嵐はふと気がついた。


「あれ?廉くんは?」


「あぁ、なんか電話きたみたいで出ていってそれっきり連絡取れなくて。」


「んっ?誰と連絡取れないの?」


美利亜は起きた。


嵐はその問いには答えず、


「おはよっ。」


美利亜の頬にキスした。


「にっ兄さん!みんながいるでしょう!」


「関係ねぇよ。」


嵐はふて腐れたように窓のほうを向いた。


「兄さん、何かあった?」


「なんで?」


嵐は首を傾げた。


「だって機嫌悪いよ?」


美利亜も首を傾げた。


「そりゃあのアホ兄は変なことしでかすし、廉くんは。」


嵐が言い終わらないうちにドアが勢いよく開き、


「たっ大変だぁ!」


真っ黒のスーツにサングラスを掛けた人が飛び込んできた。