朝の更衣室。
常に鍵を刺しっぱなしのロッカーを開けると、くたびれた白衣が揺れる。
最近はスクラブばっかり着ているせいで、白衣を着ることもない。
その白衣のポケットに手を突っ込むと、ようやく見つけた予備のボールペン。
「おはよー…道重、今日も早いなぁ」
同期の桑原があくびをしながらやってきて、オレの5つ右隣のロッカーをあけた。
桑原も今は救命の研修中。
将来は外科医をめざしてる。
「道重って何時に起きてんの?」
「ん、さっき。昨日は病院に泊ったから」
「…まじか!?」
「だってさぁ、昨日入ってきたイレウスの患者さん、やっぱり緊急オペになったから」
落ち着いてると思っていた患者さんだったけど、いやな予感がしたから居残った。
そしたら、やっぱり急変。
「なにその“やっぱり”って」
「なんとなく、そんな気がしたから」
指導医の田尾先生に唯一ほめられる。
患者さんの急変を見抜く、第六感。
常に鍵を刺しっぱなしのロッカーを開けると、くたびれた白衣が揺れる。
最近はスクラブばっかり着ているせいで、白衣を着ることもない。
その白衣のポケットに手を突っ込むと、ようやく見つけた予備のボールペン。
「おはよー…道重、今日も早いなぁ」
同期の桑原があくびをしながらやってきて、オレの5つ右隣のロッカーをあけた。
桑原も今は救命の研修中。
将来は外科医をめざしてる。
「道重って何時に起きてんの?」
「ん、さっき。昨日は病院に泊ったから」
「…まじか!?」
「だってさぁ、昨日入ってきたイレウスの患者さん、やっぱり緊急オペになったから」
落ち着いてると思っていた患者さんだったけど、いやな予感がしたから居残った。
そしたら、やっぱり急変。
「なにその“やっぱり”って」
「なんとなく、そんな気がしたから」
指導医の田尾先生に唯一ほめられる。
患者さんの急変を見抜く、第六感。