「阪本さん…学校行ってきますね」
昨日はあの後、少し寝た。
そして今日は学校に行く。
だけど、阪本さんを起こすのは何か申し訳なくて…
今、寝ている阪本さんに話している。
「ゆっくりしてくださいね」
「彼方さん、行ってらっしゃい」
下に降りていくとアキさん達が出てきてくれた。
「ありがとうございます。じゃ、行ってきます」
「あの…送らなくても本当に大丈夫ですか?」
アキさんが何度も聞いてくる。
「本当に大丈夫です。一応、私の携帯番号渡しておきますね」
アキさん達は家の外までついてきた。
「行ってらっしゃい」
「…行ってきます」
私は歩き出した。
行ってらっしゃい。なんて…何年ぶりだろう。
嬉しい。