「阪本さん…何で分かったんですか?」


阪本さんが運転する車の助手席から尋ねる。

「あ~アイツらの経営してる店かなって思ったから。」


「そうですか。」


「まぁな…彼方、着いたぞ。」




「彼方、降りろ。」


私は車から恐る恐る降りた。


「大きい…」


目の前の建物を見て、自然と口から言葉が出てきた。


そこには、和洋折衷の建物があった。


今日は、急いでたから気づかなかった。


「彼方、中に入るぞ」

先に歩いていった阪本さんの後をゆっくりついていった。


ガラガラッ


「若!お帰りなさいま…せ」


元気よく挨拶をしてきた男の人が私を見て固まった。


「アキか、今帰った」

「は…はい…」


「アキ!若、帰ってき…」


この人も?