あれから一週間が経った。



結局、私は次の日に隣の県で補導され、すぐに家の近くの警察署へと連れて行かれた。



母は泣きながら私の頬を思い切り叩き、そして、その後すぐに強く抱きしめられた。

母には悪いが、このとき初めて母は私を見てくれているようで、少しだけ嬉しく思い、三日続いた頬の腫れを何度も嬉しそうに擦った。



だけど、私の心の中は埋まり切っていない。

言葉を失うような、ぐっと胸にくるようなものを見つけられずにあの旅から私は家に帰ってきてしまったのだ。



そのためだろうか・・・



私は入瀬との約束を未だに果たせずにいた。