「いいですか?遊里さん」

長い廊下を歩きながら、こはくが言う。

「天神学園は、そりゃあ自由な校風です。遊里さんが前にいた学校と違って、人間以外の生徒や先生もいっぱいいます。最初は珍しいのも仕方ないと思いますよ?でもね、ここは学び舎なんです。そういう交流を育むのは休憩時間にして、あんまり好き勝手に学園内をうろつくのも程々にっていなぁあぁあぁいっ!」

彼女が振り向くと、早くも遊里の姿はなくなっていた。

まるで落ち着きのない三歳児だ。