ブロンドの長髪(カツラ)、緑の瞳(カラコン)、貴族口調(似非)。

胡散臭いオーラを放つ男子生徒が、渡り廊下で待ち受けている。

そこを通過したのは無口少女。

「ああっ、背骨と肋骨が粉砕骨折した!これはきっと恋の試練に違いない!この痛みに耐えてこそ、僕は無口な君の愛らしい声を聞く資格が与えられるんだっ!」

『えっ、はっ、あうっ!』

通りすがっただけなのに、重傷を負ったと告げられて狼狽する無口少女。

『あ、新手の当たり屋ですかっ?』

まぁそういう風にも受け止められますわな。