「悟、そろそろ準備しなさい。」


お祖父様がにこにこと壇上に促す。

「やっとね! 嬉しいわ~。菜緒ちゃんが…。」

おば様達が私を見て満面の微笑み…。


何だか…悪い予感がするんですが…。

「なんかあるんですか?」


恐る恐る聞いてみた。

「あ~、今日悟の社長就任と…まぁ、後はすぐ分かるよ。」

社長が皆を見て、またにこにこ…。


「会長、社長、喋り過ぎですよ。菜緒、ここで待っててね。」


微笑んだその顔が恐いと思うのは決して気のせいじゃない…。


不安げな様子の私に両親はにこにこと微笑み…。
「大丈夫だよ。悟君に任せなさい!」


よけいに不安だよ…。