土方歳三side





「俺たちは、甲州へ下ることになった。理由は伏見での戦いを見てわかっていると思う。」





夜だからかもしれない。


外だからかもしれない。




シンと物音一つ聞こえないこの世界で、俺一人の声だけが響く。



静かな暗闇の世界ほど、不安に駆られるものはない。


それでも、俺は口を開く。






「甲州へ下ると言うことで、俺ら新撰組は、名を改めることとなった。これは近藤さんも承諾済みだ。」





ここで改めて思うことは一つ。




「その名は甲州鎮撫隊、だ。」







新撰組、と言う名はとても大切な名であったということ。