元・ダンナから・・

付き合い始めた頃の様な

激しいキスを、こんな場所で

頂戴するとは思いもよらず。


いい加減

苦しくなって眉を寄せ、

胸板を掌で押して見るが

びくともしない。


タクシーの運転手も

慣れたもので

ただ黙って待機中。



「・・・。」



そっと離れたと思ったら

彼の大きな手が

火照った頬をさらりと撫で、

髪に手を刺し入れ・・

軽く胸へと引寄せた。


その行為は

あたしを子供扱いするかの、

一番落ち着く

一口のデザートみたいなもので。


キスの後、

そうされるのが好きだと、

彼に云った事があっただろうか・・?