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カチャ。

私は、ため息をつきながら、屋上の扉を開けた。


「はあ…。完全に白谷泉の思うツボだよ」


とりあえず来てみた屋上。
手にはちゃんとお弁当を持っている。

白谷泉の言われた通りにしている自分に、なんとなく嫌気がさした。




「まだ、かな…」


私はそう呟いて、空を見上げた。
今日はとても晴れていて、真っ青な空。

私はあの後、すぐに屋上に向かったから。
あの時、白谷は女の子達に囲まれてたから、まだ来てるわけはない。




すると。


「遅かったね、由愛ちゃん」

「……へ!?」


頭上から、聞き覚えのある声がした。