「っていうのが、あたしの過去」
「すごい長かったなー。あの、うざい女子のくだりいる?」
「そこには触れないで・・・」
目の前に、疲れた顔の美仔。
そして、美仔の目に映るのは泣きはらした顔のあたしだろう。
「でも、あんた泣かないのね」
「え?いや、あたし泣いてるよ?」
「ううん、だって涙出てないし」
そっと自分の目元に手をやる。
全然濡れてない・・・・・。
心は泣いてる。
でも、実際は泣いてない。
「なんで?あたし、泣いてるのに」
「・・・分かった。あんた死んでるんだ」
よみがえる記憶。
「そうか!!ほんとだ、あたし死んでる」
そういえば、美仔にカッターで手首切られても血が出なかった。
泣きたいのに、泣けない。
涙が出ない。
何もない、ただ動くだけの人形みたいなあたしの体。
死んでいる。
その意味を、深く感じた。