雨が降っている。
暗雲立ちこめる頭上からは、ぱらぱらと滴が落下してくる。
そんな陰気な空模様よりもずっと、私の気分は憂鬱だった。
◇◆◇◆◇
「え、私が?」
思わず声を張り上げたのは、放課後の職員室でのことだった。
「桐生、家近いんだし、夏目に渡してくれない?」
そういうのは佐々木先生。
えと・・・話を要約すると、
入学式以来不登校の夏目君に修学旅行のしおりを持っていって欲しい、と。
・・・て、そんなのヤだよ。
絶対気まずくなる。第一、不登校の彼にしおりなんているだろうか。
どう考えても不満は募るばかり。
「ね、お願い。」
語尾にハートでもついてそうな甘い声で言う。
「無理です」
無論、即答。
「お願い!一生のお願い!!」
そういって頭を下げ、手をあわせる。
・・・この人は一生に一回の願いを無駄遣いしてる。
「先生が行ったらいいじゃないんですか?」
「ね、郵便受けに入れるだけでいいから。」
先生はスルーして続ける。
自分は行きたくないというわけか。
しょうがない。
「・・・分かりました。」
◇◆◇◆◇
先生の頼みを聞いたこと。
ものすごく、後悔してる。
暗雲立ちこめる頭上からは、ぱらぱらと滴が落下してくる。
そんな陰気な空模様よりもずっと、私の気分は憂鬱だった。
◇◆◇◆◇
「え、私が?」
思わず声を張り上げたのは、放課後の職員室でのことだった。
「桐生、家近いんだし、夏目に渡してくれない?」
そういうのは佐々木先生。
えと・・・話を要約すると、
入学式以来不登校の夏目君に修学旅行のしおりを持っていって欲しい、と。
・・・て、そんなのヤだよ。
絶対気まずくなる。第一、不登校の彼にしおりなんているだろうか。
どう考えても不満は募るばかり。
「ね、お願い。」
語尾にハートでもついてそうな甘い声で言う。
「無理です」
無論、即答。
「お願い!一生のお願い!!」
そういって頭を下げ、手をあわせる。
・・・この人は一生に一回の願いを無駄遣いしてる。
「先生が行ったらいいじゃないんですか?」
「ね、郵便受けに入れるだけでいいから。」
先生はスルーして続ける。
自分は行きたくないというわけか。
しょうがない。
「・・・分かりました。」
◇◆◇◆◇
先生の頼みを聞いたこと。
ものすごく、後悔してる。