♪雫SIDE♪

下駄箱を出て、門にむかう。

俯いて歩くのをやめ、顔をあげると門に寄りかかって立つ人がいる。

その人は、あたしに気がつくと、笑顔でぶんぶんと手を振る。

「雫せんぱ~いっ」

苦笑いしながら、あたしも小さく手を振る。

駆け寄ってくる男の子、萩野 黎くん。

彼に告白されてから、1週間。

あの日、黎くんに突然告白された、2年生になった日の次の日から、黎くんはずっとあたしが来るのを、門で待っている。

なんでそうなったかっていうと…