said kosuke

目が覚めると、部屋が明るくなっていた。

ずっと暗闇の中に、いたような気がする。

そうだ、優衣は死んだんだ。

あれから、どのくらいたったんだろう。

「宏介、おはよう。」

母さんが部屋に入ってくる。

「調子はどう?」

「母さん、ごめん。俺本当は、ずっと逃げてたんだ。でも夢の中で、優衣に言われた。逃げちゃダメだって。」

「宏介…。」

「出掛けてくるよ。謝らなきゃいけない人は、たくさんいるんだ。」

俺はそう言って家を出た。

学校には、優也がいた。

俺の顔を見て驚いている。

舞子ちゃんも、俺に気づいて、駆け寄ってくる。

「宏介。」

「体、平気なの?」

「二人とも、ごめん。迷惑かけて。俺、ちゃんと現実を受け止めるよ。前に進む。」

「あぁ。」

「優衣もきっと喜ぶよ。」

俺は、二人と別れて、優衣の家へ向かった。