コンコンッ





「はーい、どうぞ。」





私がノックをした瞬間、待っていましたとばかりに返事が返ってきた。





「……先生。」





「おう片瀬、おはよう。」






私の顔を見てニコッとする先生は、やっぱり少し疲れているように見えた。






「おはようございます。」






何故2人きりなのに片瀬と呼ぶのか疑問に思いながらも話しを続けると、先生はゆっくりと立ち上がった。





「久しぶり。」





「そう、ですね…。」





約一週間ぶりに逢った私達。






よくここまで我慢できたものだと、自分で自分に感動する。






ガチャンッ






「あ…え…?」






気がつくと、目の前にはさっきまで部屋の隅にいたはずの先生がいて、扉の鍵を閉めていた。





なんで…閉めた?





まぁ…大方予想はつくんだけども。





「伊緒…。」






「!!!!!!」






ふと先生の事を考えていると、耳元で声がして身体が反応する。






「あー…この感触久しぶり…。」






鍵を閉めた先生は、扉の前に立ち尽くしていた私をそのまま抱きしめた。






まるで今までのを取り返すように、ぎゅぅっと力強く。