「私は伊緒みたくできないもん。」





「え、どういう事?」





私みたくって何が?




素直じゃなくて子供で、先生に甘えてばっかの私が、恵那にとってはどんな風に映ってるというのだろうか。





「……だから、そんな…その…。」





恥ずかしそうに顔をうつむいた恵那は、前よりも女の子っぽくなっていて何だか可愛い。





恋をすると可愛くなるっていうけれど、ここまでとは思わなかった。





それに、恵那をここまで女の子にしてしまう相手がすごく気になる…。





「ねぇ恵那。相手って誰なの?教えてよ。」





すっかり涙が乾いた目を恵那に向けると、あからさまに目がきょどっていく。






「………えっと。」






「うん。」





「びっくりしないでよ?引かないでよ?」






「うん。」






私の顔をみて恵那は一呼吸。




そして、ゆっくりと口を開いた。