『先生!龍娘先生!』

ある土曜日。

相変わらずストーカーチックに丹下 龍太郎をつけていた筈の城山 小夜が、血相変えて生徒指導室に駆け込んできた。

「どうした城山…私は女子生徒嫌がらせ事件がやっと解決して疲れているのだ…つまらんトラブルなら自分で解決してくれ…」

事務机に突っ伏して、やる気ゼロを体現する李 龍娘。

『そんな事言ってる場合じゃないです!』

小夜は緊急事態を絵に書いたような表情で訴える。

『り、龍太郎君が、体育の侍先生に連れ去られたらしいんです!白昼堂々、倫理の補習の真っ只中に!』