日が暮れ始めた。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

天神学園校舎屋上。

大きな貯水タンクの陰に隠れ、丹下 雛菊は呼吸を整える。

何とか乱れた息が落ち着いたのを確認して、タンクの陰から様子を窺うと。

「ひゃあっ!」

火花と共に弾丸がチュイィンッ!と弾けた。

反射的に頭を引っ込める。

…もう一度、慎重にタンクの陰から見ると。

「オハヨウゴザイマス」

『奴』はそこに立っていた。