「琳ー!行くよー!」

「ごめん、先行ってて!」


毎週月曜日の四時間目の体育
その体育の為だけに学校に来ていると言っても間違いではない…と言うくらいの体育好きな私、長谷見 琳


「うわっ、チャイム鳴るじゃん!」


急いで教室から出て、階段を降りる
今日は確か、バスケだったはず…

今年で中学三年生になる私は学年で結構目立つ遅刻魔として扱われている
別に不良なわけではない
正直、授業中に立ち歩いてうろうろしたり、煙草を吸ったり、喧嘩をしたりするのはダサいと思うし、見てるこっちが恥ずかしいと

ただ、本当に遅刻が多いだけで目立っているだけ


(あーもう…絶対間に合わない)


体育だけは遅刻したくなかったのに、と落ち込んで俯きながら階段を降りていく


(あれ…)


どこからか声がした
聞いたことのないがらがら声…というか、カスカス…

じゃなくて、声のする方を反射的に見ると、職員室の前で体育の先生と、知らない人が話していた


(誰だろ…)


そんなことを思いながら体育館へと向かう


「…………あ」


体育館シューズを忘れた

そう気付いて慌てて降りてきた階段を上る


「もう最悪!」


教室に戻ってきた頃にはチャイムは鳴っていて、体育館シューズを手にとって走って体育館に向かった






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