ケータイ小説 野いちご

LOVELY☆ドロップ


どちらにしろ、野暮ったいあたしには似ていない方がいいかも。

似るなら慶介の方がいいね。


そんなことを思っている間、慶介からは何も返事が返ってこなかった。


あたしのお腹に赤ちゃんができたなんてびっくりさせちゃったのかもしれない。

そう思ってもう少し慶介が何か言うのを待っているのに、どうもおかしい。



というのも、慶介は沈黙も大嫌いだ。


いつも何かを話していないといけないくらい、極度に沈黙を嫌う。

それなのに、彼は今、たしかに沈黙している。


不思議に思ったあたしは、赤ちゃんがいる自分のお腹から慶介へと視線を移動させた。



――そうしたら……。


慶介はさっきのあたしみたいに顔を下に向けて何やらブツブツつぶやいていた。


それはとっても小さな声だった。

だから当然あたしには何も聞こえない。


でも、どうしてかな。


とってもいやな感じがする。


「いつから……」

「え?」

沈黙が流れる中、それを破ったのは慶介だった。

はじめ、早口で言われたから何を言っているのかわからず、聞き返すと、「気づいたのいつだ?」と、そう訊いてきた。

今の慶介は、まるで裁判の判決を待つ死刑囚のような雰囲気だ。



……どうして?

どうして慶介はそんなふうに訊くの?


どうしてあたしは、慶介が死刑囚みたいだって思うの?



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