「ここが俺の家だよ」



そう言って連れてこられたのは学校から歩いて20分程度のところだった。


「はいどーぞ」



先輩はそう言って、玄関のドアを開けてくれる。



「…えっと、お邪魔します…」


「誰もいないからかしこまらなくていいよ。恭介はズカズカ入ってくるし」



少し緊張しながらゆっくりと入ると、先輩が小さく笑った。

少しだけ緊張がほぐれる。



「しずく連れてくから、二階の左の部屋に行っといてくれる?」


「…あ、はい」


先輩は私を見てにこっと笑うとリビングらしきところへ入っていった。