笠井が亡くなる1ヵ月前。2月。私は、ずっと付き合ってきた彼と婚約をし、一緒に暮らし始めた。

みんなは2月の飲み会は、お祝いをかねて、松田の新居でするぞーってはりきっていた。

もちろん笠井も。
笠井のお祝いも兼ねてた。笠井は高校の教師として就職が決まっていた。


みんなおめでとう!!と、その日はとても、盛り上がった。
いつになく笠井は、上機嫌だった。

私の彼と笠井は、その日が初対面だった。

酔っ払っていた笠井は、彼に何度も何度も、
こいつを、どうか宜しくお願いします!こいつ、すげぇいい奴なんです!だからホントにホントに幸せにしてやってください。
松田の結婚する人が、あなたでよかった。ホントよかった。
笠井は何度も、そう言ってくれた。

私は本当にうれしかった。
結婚式では俺、余興やるからな!あと、俺の就職先の高校、この家の、すぐそばじゃん、だからぁ仕事終わって、ここで飯食って帰る事も、しょっちゅうだと思うから(笑)4月から頼むぞ
なんで、あたしが笠井の、ごはんまで作んなきゃなんないのよ!