4月。

わたしたちは2年生になった。


両親に、進級祝いに一眼レフが欲しいとおねだりしてみたけど却下された。

相変わらず「恋がしたい」と騒いでいる華乃とはクラスが離れてしまった。

何度か話したことのある男子が学校を辞めていた。


思い通りにいかないことはたくさんあって。

当たり前だと思っていたことが、実は、当たり前じゃなかったんだと気づいたり。

誰かにとってちっぽけなことが、誰かにとっては涙を流すほどの苦しみだったり。


理解したフリをして、ほんとは納得なんかしてなくて。

うまくいかないことを受けとめて。受け入れるという選択肢しかないときもあって。

だから。


始業式に先生の姿がなかった。


この現実をどう呑み込むべきか。

わたしの中でいろんな感情が渦を巻いて、いろんなことを考えたのだけど。

やっぱり、というか。


はっきりとした答えが見つからない。