それからヴリトラと遥が捜査隊の面々の所に戻ってきたのは、そろそろ下校時刻になろうかという頃だった。

『下校時間になりました。校舎に残っている生徒は、速やかに下校して下さい。これを守らない場合、生徒会長より地獄のジェノサイドフルコースが贈呈されます』

下校を促す放送部の校内放送が流れる中。

「早く帰ってこないからこんな時間になっちゃったじゃないのよぉっ!」

美葉が大声を張り上げてダバダバと暴れる。

そんな美葉のグルグルパンチを、片手で額を押さえてあしらいながら。

「どこ行ってたんだ皇帝にヴリトラ?」

龍太郎が訊ねる。

「んん?ちょっとねぇ」

「聞くも涙、語るも涙の苦労があったのだ…」

二人とも、生徒会長にへこまされてましたとは言えまい。