図書室に用事があり本を借りていると松川君にあった。
その後ろに陵も居るし・・・
俺はその場から離れたくて鞄を持って図書室を出た。
だが・・・陵に掴まった。

「で、何で一緒に帰らなきゃいけないんだよ」

「良いじゃん、俺と澪の仲だろ?」

「どんな仲だよ」

そんな会話をしながら歩く。
もうすぐ・・・家なんだが・・・

「澪の家ってどこら辺にあるんだ?」

「・・・たこ丸公園の近く」

「へぇ~俺の家もその近くなんだぜ」

「あっそ」

「家まで送ろうか?」

「送らなくて良い・・・」

「良いじゃん、送るって」

「断る」

そんな言い合いをしながら公園の前を歩くと
どこからか聞き覚えのある声がした。

「あれ?兄さん、今日は早いじゃん」

「・・・蓮」

後ろを見ると自転車に乗った蓮が居た。
いつもより早い帰宅に驚いているようだ。

「ちょっとな・・・」

「ふ~ん、で、隣に居る人は?」

「ん?知り合い」

「澪・・・知り合いって、同級生だろ」

「あぁ・・・そうだったな」

「ふ~ん」

蓮は少し納得したように頷く。
途中で陵と別れ連と家に帰る。

「んで、あの人、兄さんの秘密知ってるのか?」

「何でだ?」

「しきりに僕の左手首を見てたから」

「そうか・・・あぁ、知ってる」

「そう」

家に帰ってすぐ俺は研究所に篭もり借りた本を読む。
でも・・・どんなに調べても分からない。
父親が何の目的でこんなものを作ったのか・・・
そして・・・どうして消えたのか・・・

「はぁ~・・・やっぱ分かんねー」

「何が?」

「何がって父親の目的が・・・って、いつ来たんだ?陸」

振り向くと陸がドアの前で立っていた。
その顔は“バレた”という感じだった。