トントンっ 「―…失礼致します。 翠愛様、奥様と旦那様がお待ちです。」 入ってきた侍女は頭を下げると 部屋から静かに出ていく。 私の名前は椿 翠愛[ツバキ スイア] 母親は椿財閥の社長。 父親は―…、まあ色々。 それより…支度しなきゃいけない。 ――面倒くさいな…。 「…仕方ないか。」 そう呟くと適当に服を選んで部屋を 後にした。