あたしの首筋に
修が顔を強くうずめる

温かい修の唇が

あたしの身体に触れる


優しい手つき
優しい声
優しい瞳
優しい時間…

「修…修ぅ…」


二人で強く
愛し合った…
何度も重なった

ただ夢中で…



避妊したかなんて
覚えていない…



それが終わり
修は棚の影から
缶を取り出した…


その缶の中の液体を
小さなタオルに
染み込ませ…

袋にいれそれを吸う


「なに…?」

わかってて
あたしは修に聞いた


あれはシンナー…
言われるアンパン…


「あ〜気持ちぃ〜」

「気持ちぃの?」

修はあたしを見て

にやっ!

「お前もしてみろ」

「え〜いいよ〜…」

「ほらっ…」


気付けばあたしは
吸い込んでた

気持ちぃ〜…

初めての感覚に
あたしは喜びを感じた


一瞬…

晴菜の顔が
横切った…

「ごめん…
晴菜…」


心であたしは
謝っていた


あたしは変わって
しまった…

この日を境に…


修と付き合う事に
なって

毎日のように
修の家に行っては
抱き合った


その度あたしは
アンパンを

幾度も重ねてく…


もう
シンナー無しでは
だめな身体だった

シンナーが
無ければ
あたしはイライラする


あたしは
シンナーという
悪魔に取り付かれた


シンナーを
勢いよく吸えば

夢の中へ

トリップ…

それが良かった

そしてあたしは
とうとう


覚せい剤にまで

手を伸ばしてしまった