○プロローグ○



遥か昔、
赤い土に覆われた荒れ果てた一面の大地に、

小さな、
5つの星屑が流れ落ちた。



1つ目の流星は、
遥か北の大地に落ち、
赤土は冷気を纏った氷の大地に覆われた。


2つ目の流星は、
遥か南の大地に落ち、
赤土は長い歳月を炎に覆われ、
その地は広大な乾いた砂丘と化した。


3つ目の流星は、
遥か西の大地に落ち、
その衝撃で赤土の大地は裂け、
深く大きな渓谷が生まれた。


4つ目の流星は、
遥か東の大地に落ち、
星屑から流れ出た水分は広い範囲の赤土に行き渡り、洪水を起こした。
水が引いた赤土の大地は豊かとなり、一面の草原となった。


5つ目の流星は、
緩やかに中心の大地に降り、
大地を盛り上げ広大な山となると、4つの大地を分け隔てた。


これは、
この地に伝わる創世記。

この星の5つの地形は、
遥か宙から流れた星屑が成形したのである。