あれはいつのことだっただろうか…

クラスの友人と肝試しをしようと近くの裏山に集まった。

マコトやナギサといういつものメンバーに加え、仲のいいクラスメイトが集合した。

その中になぜかキサラギアイの姿もあった。

ニヤニヤとしているマコトとナギサを見て、オレはすぐに察した。

オレのことが好きだというキサラギをからかうためだろう。

迷惑なことこの上ない。

二人組で裏山を一周する。

案の定オレとキサラギは同じ組になった。

二人で歩きだした時だった。

キサラギが唐突に告げた。

「あ、あの…あの時ありがとう…」

「は?あの時…?」

何言ってんだこいつ。

「私のハンカチ拾ってくれて。」