何とかここから出る方法を考え出さないと。

振り返る。

三方向は、壁だ。

それも、岩壁そのままな感じだ。

「ってことは、こっちしか出口がないってことか」

格子を触る。

どうにかできる硬さではない。

「・・・もう、降参、だな」

格子から手を離して、地面にしゃがみこむ。

と、

『気が付いていたのか』

頭に、また、あの声がした。