ケータイ小説 野いちご

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嘘婚―ウソコン―

#01
*見知らぬ名前

「ターンタカターン、ターンタタターン」

ウエディングソングを口ずさみながら、ボールペンで名前を書いた。

既婚者と言うことにすれば、相手は確実にあきらめる。

自分以外の相手がいると言うのがどれだけ苦痛なことだろうか。

妻の名前の欄に、その名前を書いた。


市役所は大忙しである。

特に午前中が1番大変である。

定時に帰れると言うこと。

土日祝日は休みなこと。

それはとてもありがたいことなのだが、その分仕事の量は多い。

でもやりがいがあるのはいいことだと思いながら、園子はパソコンの画面を見ながらキーボードをたたいた。

「山本さーん、戸籍の整理をお願いねー」

上司がやってきて、デスクのうえに大量の書類を置いて去って行った。

「はい、わかりましたー」

園子は今やっていた作業を止めると書類に手をかけた。

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