この頃の記憶があるのは、 自分でも信じられない。 弟が棺に入っている。 私は父に抱っこされて、 弟を見ている。 『ひろ君はお星様になったから、 さよならしよう』 姉と私は、 ひろ君の小さなほっぺたを撫でた。 母は泣いている。 葬儀の日、 子供部屋に置かれたすべり台で、 私は遊んでた。 母が泣いてる。 なんとかしなくちゃ。