「今日からこの部屋を使え。
この部屋の左隣が俺で、前が理人の部屋だ」






勤がこれから暮らすことになる部屋まで案内した。


…………、まさか、勤がこの誘いにのるとは思ってはいなかった。


いや、のってほしくなかったわけじゃない。

寧ろ、良かったって思ってる。



ただ、暁が勤のことを大切だと思っているように、勤にとっても暁は大切な親友なはず。


だから、紅蓮組系列に残るんだと思ってた。






「月夜くん、…ありがとう」


「礼なんてしなくていい」


「いや、しなくちゃ、俺の気が済まねえんだ。

俺さ、もっと強くなりたい。
大切な人を守れる強さが欲しい。

月夜くんみたいになりてえんだ」


「俺みたくならないほうがいいと思うけど。
暁のほうがいいんじゃないか?」







暁は、私と違って嘘なんかつかない。


何より、仲間思いで、人を纏める力がある。



黒蝶の総長である私が認めるほど、暁は強い。





「…確かに、暁みたくもなりてえけど。
俺、クールキャラじゃねえからさ?
それに小さい時から一緒にいるから、尊敬とかは見れないんだ」