―――ギィー
―――バタンッ
あのまま走り続けて、たどり着いた先は屋上。
ここに来ようと思って来たわけじゃない。
足が勝手に向いただけ。
私は屋上に飛び出すと、急に勢いを失って、その場に崩れ落ちた。
心臓がドクドクと波打っているのは、走り続けたせいだけじゃない。
『翔……っ、あいっ、か、さん……!!』
今、頭に思い浮かぶのは、2人。
ケータイの待受で何回か見たことはあっても、実際のは1回しか見たことがない、愛歌さんの笑顔。
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