翌日、学校へ行くと、ユカは椅子に座っていて、伏せて眠っているようだった。

昨日、そんなに楽しかったのかな。

もしかして、ついにユカ、委員長に告白して付き合い始めたとか!?

そんでもって、ドキドキして眠れなくて、朝になって眠気が襲ってきたと、そういうわけ?


足音を立てずに、ユカに近づくと、ユカは寝てるのではないことがわかった。


うなだれてる…。



だって、ユカのまわりの空気がどよ~んとよどんでいる。

そして、ユカからブツブツなにかをつぶやいてる声が聞こえる。


どうしたんだろう。


そっと、近付き、ユカの方をちょこんと触れてみた。



ちょこん。



ちょこん。






反応がありませぬ。



「ユカ様?」


私が耳元でそうつぶやくと、ユカは驚くほど素早く起き上がり、死にそうな目をこちらに向けた。


みるみるうちに、ユカの目には涙がたまっていく。


「どどっどぉしたのユカ!」


あのしっかり者のっユカが、私に涙を見せるなんて、初めて。


セミがけたたましく鳴く、7月の暑い日。

今日は雪が降るかもしれないと、私は本気でそう思った。