ケータイ小説 野いちご

霊感少年とメリーさん

◆第2章◆
目覚めた力




『じゃあ、説明を始めるわ』


翌日、陽一の部屋にメリーが来ていた。陽一は椅子に座り、静かに頷く。

陽一はメリーに言われた通り、家から一歩も出ないで待っていた。

今日は運にも祝日だったので、部活と学校も休み。もし、平日なら親に学校と部活を休んでも怪しまれるので、それが救いだった。



『まず、悪霊について。悪霊は元は霊なの。強い怨念や恨みをもって死んだ霊が悪霊になりやすいわ。

そして悪霊になると、自我を失い人間に危害を加える』


「昨日の女の人みたいになるのか」


陽一は、昨日襲ってきた女性を思い出す。


あの狂気に満ちた悪霊が、自我を失っていた女性だと、未だに信じられないほどの変貌ぶりだった。


『そうよ。彼女の場合、“自由”になれなかったという気持ちが、怨念になり悪霊になった』


メリーは、淡々と話を続ける。



『悪霊には、独特の力があるの。1つは、自分の空間を造れるの』


「空間?」


聞き慣れない言葉を聞き、首を傾げる陽一。



『そう。空間を造ることによって、その空間に入った普通の人にも自分の姿を見せられるの。

後、ポルターガイス現象は知ってる?』



陽一は知っていたので、頷く。


ポルターガイス現象とは、突然、家具などが宙に浮かび上がる心霊現象のこと。



『その正体は、空間の中で悪霊が操っているの』


「なるほど」


昨日、襲いかかってきた石も、なぜ古池に悪霊が見えていたのか謎が解け、陽一は納得した。




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