ケータイ小説 野いちご

重なる平行線

ずれる日常
奇妙な絆

本当、水貴はよく分からない奴だ。

俺こと津坂旭は、普段帰る時に使うのとは違う電車に乗っていた。まぁ快速なだけなんだが。

隣には俺の帰宅時間が遅くなる原因を作った水貴が携帯を片手に何かやっている。
「なぁ、本当に行くのか?」

あの電器店で例のニュースを見た後、何を思ったか知らないが、水貴が『美月に会いに行く』と言い出し、成り行きで俺はここにいる。

「ん…あぁ。っていうか別にお前、来なくても良かったのに」何で来てんだ?と首を傾げて質問される。

「何でって…、そりゃ…」

確かに。
何故俺はここまでついてきているのか。
別に、来なくても良かった筈なのだ。

「…心配だからだろ。気になるし」

「…ふぅん」

嘘じゃない。

ただ、理由はそれだけではない気がした。
昨日会ったばかりの女の子。水貴と瓜二つの顔で、中身までも水貴とほぼ同一。

何故、水貴は昨日会っただけのあの子にここまでするのか。


…『似た者同士。歩んで来た道が、同じだったのかな』


昨日、水貴が帰る際に呟いた言葉。

水貴の考えていることは、分からない。
けど、俺が何で水貴についてきたのか。それだってなかなかの謎だ。

…そうだな。
少し理由を付け足すというのなら。

あの子が気にかかることと、水貴があの子を気にする理由が知りたいからかな。

ただの好奇心だけど、さ。

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