◇戒部屋!?◇



ドキ―――…!!


あたしの心臓が大きく跳ねた。


は、反則だよ!そんな優しい笑顔を向けるなんてさっ。


赤くなった顔を背けると、


「じゃな!」


あたしは慌てて回れ右をした。


その行く手を戒の長い脚が阻む。






「待ちぃや」






虎間の低く―――くすぐるような甘い声。


耳元に色っぽい吐息を感じる。


「な、なんでしょうか!!!」


「今日は新婚初夜なんだぜ?いきなり夫婦別寝とかありえなくね?」


「いや…別にまだ夫婦でもねぇし、初夜……でもねぇじゃん」


ドキドキしながら、顔を俯かせると戒はあたしの腕からするりとマクラを抜き取った。


「マクラは俺と一緒にねんねしたいよな~?」


そう言ってマクラの口にチュっとキスをする。


な、何がしたいんだよ…


戒はにやりと笑ってあたしを覗き込んできた。


「マクラは人(あざらし??)質だ。返して欲しければ俺の部屋に来たら?」


なっ―――!!





ま、マクラーーーー!!!