あれから2週間。


とくに何をするわけでもなくあたしたちは集まって遊んだ。


部活に明け暮れる祐一くんもときどきあたしたちに混じっていろいろなことをした。




「そういえばさ、そろそろ爽太の誕生日じゃないっけ?」




その日は美希ちゃんの家に集まって、勉強会と言う名のただ集まって喋るという日だった。



今日はめずらしく祐一くんもいる。


祐一くんは黒かった肌がさらに黒くなっていた。

みんなと違うのはそれだけではなく、しっかり勉強をしながら話に参加をしているということ。


あたしも教科書は開いているけど、手はまったく動いていない。

爽太くんと美希ちゃんに関しては何も机に乗っていない。







「うん、まぁそーだけど。」


麦茶でのどを潤しながら爽太くんはこたえた。


「そういえば夏海は誕生日いつ?
夏海って名前だし、夏生まれでしょ」



シャーペンを持つ手を止めた祐一くんはあたしに話を向ける。





「うん、今月の10日なの。」


別に隠していたわけじゃないけど、自分で言うほどのことでもなかったしな。




「10日かぁ、偶然だね。」


「え?」



ニコッと笑った祐一くん。
目が悪いのか、黒縁のメガネをしている。




「へぇ、夏海ちゃん爽太と誕生日おなじだぁっ」



美希ちゃんは目を丸くさせて楽しそうに笑う。