まさか…まさか…

あの男子がクラスメート…しかも隣の席だったなんて!!

「それじゃ、名前の順番で自己紹介してもらうぞー。」

私の気持ちを余所に先生は順番に名前を読み上げる。
名前を呼ばれた生徒は席から立ち、簡単に自己紹介していく。
そしてお隣さんの男子の番がきた。

「黒澤健司です。前はE組でした。バスケ部に所属しています。」

簡単な自己紹介をしてお隣さんは座った。

黒澤君…っていうんだ。
背は高いなーって思ってたんだけどやっぱりバスケ部だったんだ。

「…何だよ。」

私の視線に気づいて少し不機嫌そうにこちらを見る黒澤君。

「えっ!?」

自分の上げた声に耳を疑った。
鋭い目つきの黒澤君にビビりすぎて声が裏返ってしまったのだ。

何て間抜けなんだ、私……

恐る恐る隣の席の黒澤君を見てみるとキョトンと目を丸くしている。

「…ブッ…!!」

一瞬表情が固まったかと思ったら黒澤君は盛大に吹き出した。

「お前、ビビりすぎ。」
「あ…あはは…」

ニヤリと笑う黒澤君につられ、私も引きつりながら笑ってしまった。

「次ー、城田ー…おい、城田!!」
「あ、はい!すみません!」

しまった。先生に呼ばれているのが全然聞こえなかった。

「城田知世です。1年の時はA組でした。美術部に所属しています!!」

その後もみんな自己紹介していき、HRは次のテーマへと移っていった。