「日屶なんかダイッキライ!!」

「結芽なんかに好かれても嬉しくねぇよ!!」

いつもどうりの大喧嘩。

私(結芽)とアイツ(日屶)は幼なじみで恋人同士。

昔からケンカが多くてお互い素直じゃない。

恋人になれたのが不思議なくらい。

喧嘩して少したって私は一人頭を抱えてうなだれる。

「ゆーめっ!まーた落ち込んでんのー?」

友達の佳奈に声をかけられてもうなるだけ。

「いい加減素直になりなよー…」

呆れた佳奈の声が頭の上からふってくる。

いつもの私なら、きっとここで「どーせ素直じゃありませんよー」とでも言っただろう。

だけどうなだれたまま、顔を上げることすらできない。

「今日が記念日だから余計しょげてんの?」

佳奈はいつもいいとこをついてくる。

今日は2月12日。

日屶と付き合って三ヶ月目の記念日。

「あーぁ…三ヶ月前の私の素直さがほしい。」

「まわりに茶化されてたのをかばってくれた日屶に告白したんだっけ?」

私と日屶はずっと一緒で、家も近くて学校も全部一緒だった。

離れることの無い私たちをまわりがはやしたてないはずがなかった。

確かあの時は…