「おい」 それは清々しい7月初めの朝のこと。 いつものように登校しようと家の門を潜った。 そこに響いた、低くて落ち着きのある声。 「へ?」 「おせぇ」 な、なんでいるの!? 今日はゆうちゃんの嫌いな月曜日なのに。 「ゆ、ゆうちゃん!」 「おい、ブス」 『ブス』という単語に胸がチクンと痛む。 もう聞きなれたはずなのに・・・。 「その呼び方やめろよ」