★沙良side★




「はぁ・・・はぁ・・・いや・・・いやぁっ!!!」

  

  バッ

 

  私は飛び起きた。



「なんで・・・?最近見てなかったのに・・・」



私は寝る気にもなれなくてそのままボーっとしていた。



そして、ベッドの隣りに置いてある写真たてを取る。



そこには、一年前に撮った写真が飾ってあった。



私は自分の隣りに写っている“彼”を見つめた・・・


 
「快人・・・ごめんね・・・」



見つめているうちにだんだんと明るくなってきて



カーテンから朝日が差し込んだ。



その光に当たった写真を見ると、“彼”の茶色の髪の毛が



輝きを増していた。



もう、触れることのできないあの髪の毛・・・



優しい眼差し、向日葵みたいな笑顔、柑橘系の匂い。



そして『沙良・・・』そう私を呼ぶ甘い声。


 
思いだすと、涙がとまらなくなった。