翌朝、キラキラ輝く、光の洪水が眩しくて目を覚ます。

手を翳し、目を細める。

気分最悪。

二日酔いだよね、この頭痛。

両手で目を覆って、「はぁ~……」と深い溜息を洩らす。


どうやって、帰ってこれたんだろう。

ぜんっぜん覚えてない。

プチ自己嫌悪に陥る。



でも、昨夜は、すごい夢を見た。


課長におんぶされてるっつー、あり得ない夢。

でも、フワフワしてて、気持ち良かったぁ~。

課長の背中が広くて、温かくって、しゃーわせだったような気がする。

「飲み会も仕事のうちだ。酒に溺れるな」

なぁ~んて、ね。

あはは。

夢の中でも、課長はやっぱり課長だったけど……。


でも、夢の途中で、課長の背中をスルリと降りて、本部長と話したような気がする。

……何、話したっけ??

だめ。

思い出せない。

起き上がろうとして、頭を押さえる。

いったぁぁぁい。

それに、陽射しが高い。

多分、もう昼だ。

眩しい目をこすりながら、首を左に90度動かせば、


窓のすぐ外には高層ビル。

窓の下にはオフィス街。


へぇ~…… ビル、ビルねぇ。


ん?

んん?


何?このビジュアル?!

私の安アパートからはあり得ない景色なんだけど!!!


慌てて、ベッドから跳ね起きる。

服は……バスローブ?!


「ここ……どこ???」

「ようやく起きたか」

眩しい窓の向こう側。
腕を組みながら、振り返るその影は……


課長だった!