ケータイ小説 野いちご

27年後の王子様

【朝焼けとプロポーズ】








「芳乃さんっ」、と佐倉くんが私の名前を呼ぶ。


「芳乃さんっ、今日も愛してますよ」、と。




冗談ぽく、最近じゃ挨拶代わりのように言う佐倉くんに、私はもうタジタジだった。



素直に赤面する私を見て、

「かぁわいい〜。」

とハシャぎ、
恥ずかしくてキレると、なぜか楽しそうに笑う。





佐倉くんのそういう感じは店でも変わらなくて、私は香織さんや山崎くんから冷やかされるし…。

本当、冗談じゃないよ。






「ずいぶん懐かれましたねぇ。」


そう言って笑う香織さん。

私は何だかどっと疲れている。




「あー、そうだ。香織さん、明日からお店の事よろしくね。」


「あー明日からでしたっけ。了解でーす。」



「明日、何かあるんすか?」


私と香織さんの会話にひょこっと首を突っ込む佐倉くん。




やれやれという感じでいる私と、佐倉くんを交互に見て、香織さんはクスクスと笑いだした。






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