ケータイ小説 野いちご

【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐

第2楽章‐カンタービレを奏でて‐
♪ Rainの音






「よぉ、アキ。ずいぶん遅いじゃ…って、柚姫ちゃん!?」






体に直接響き渡る音楽の中、ドアをくぐってすぐよく知った声があたしたちを出迎えた。






「こんばんは、オーナー。」




暁くんに続いてあたしもぺこりと頭を下げた。






「柚姫ちゃん、いらっしゃい。」






にっこりと微笑んでくれた、このライブハウスのオーナー、原田さん。






あたしも、ぎこちないながらも微笑み返した。






「じゃあ、見てて。」





暁くんはそれだけ言って、あたしの頭をポンポン撫でると人混みの中へ消えていった。





暁くんのぬくもりが離れていってしまったことに、寂しさを覚えながらあたしは暁くんが消えていった方をしばらく眺めていた。







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