季節は6月に入った。

5月に起こった珍騒動から、2週間が経過した。

蒲生が加わった3人の奇妙な同居生活はすっかりなれてしまった。

なれると不思議なものである。

不思議と楽しいものに変わってしまう。

蒲生も光と永田が同居していることは知ったものの、誰にもしゃべっていない。

何だかんだで同居生活になれ、毎日を楽しく過ごしている。

「しかし、ビックリしたなあ」

そう言いながら、蒲生は畳のうえでほうきを動かした。

「わたしの方がビックリですよ。

いきなり蒲生先生がきたんですから」

彼と一緒にほうきを動かしながら、光は苦笑いをした。