歩みの目的はというと、

小さな絵のコンクールへ
応募するための作品を
届けに行くところだった。

一応、美大生であり、絵を学んでいる。

雪のやっている
『アイドル』なんかとは
比べものにならない程地味で、
給料も少ない仕事だけど、
それが俺の『好きなこと』だったから
絵を描くのが好きなのだ。

右手に持った大きめサイズの
茶色い封筒を雪で濡れないようにと
身をまるくした。