―――……


それから時計を見ると三十分は経ってなかったので、野木さんが待っているであろう外へ二人こそこそ戻った。

あたしはともかく…かっくんはね。



「お嬢様! よかったお嬢様…迷ってしまわれているのではないかと…星野様ではないですか。本当にいらしてたとは…」


「本当にって…」


「いやーほんと、ばっちしなタイミングだったねぇ! あはは。まおって運いいな~」


「……」


「お嬢様、もうこのようなことはお控えになってくださいね」


「お前無謀なやつだな…。知ってて来たんじゃねぇのかよ」


呆れかえるかっくんの腕にしがみついて、車のほうへ引っ張った。


「りんりん達が待って……ああ! りんりん達!」


わっすれてたー…。

なんにも言わず飛び出てきちゃったんだっけ。


…まいっか。


「梨音も楽しみにしてるよきっと。…あ、そおだ! かっくんテレビに映ってたね! かっこよかったぁ~❤」


「テレビ……。放送されたのかこっちでも」


「うん。途中で金髪のバラ咥えた気持ち悪いヘンな男に邪魔されたけど」


「……は?」


あいつさえ出てこなきゃずっと見れてたのに~。

…まあ、実物が今いるんだからいいか!